ここは易しいところです。このセクションで、我々は Apache のルート配下 にあるディレクトリで WebDAV を有効にします。
/usr/local/apache/conf/httpd.conf に、以下の Apache ディレクティブがあることを確かめてください。
Addmodule mod_dav.c |
もしなければ追加してください。このディレクティブは、Apache に DAV の機能を知らせるものです。このディレクティブは、あらゆるコンテナ の外側に置かれなくてはなりません。
次に、Apache が DAVLockDB ファイルを格納するよう指定しなくてはなりません。 DAVLockDB は、WebDAV のロック・データベースです。このディレクトリは、 httpd プロセスにより書きこみ可能であるべきです。
私は DAVLock ファイルを /usr/local/apache/var の下に格納しています。このディレクトリは他の用途にも利用しています。 あなたの /usr/local/apache/conf/httpd.conf に以下の一行を追加し、DAVLockDB ファイルが /usr/local/apache/var の下にあることを指定してください。
DAVLockDB /usr/local/apache/var/DAVLock |
このディレクティブは、あらゆるコンテナの外側に置かれなくてはなりません。
上記の通り、ウェブサーバのプロセスにより書きこみ可能なディレクトリを、 DAVLockDB 用に作成しなくてはなりません。通常ウェブサーバのプロセスは、 'nobody'ユーザ権限で動作します。 以下のコマンドを使い、このことを確かめてください。
ps -ef | grep httpd |
# cd /usr/local/apache # mkdir var # chmod -R 755 var/ # chown -R nobody var/ # chgrp -R nobody var/ |
DAV を有効にするのは、ちょっとした操作で済みます。Apache ルート配下の ディレクトリで DAV を有効にするには、その特定ディレクトリの設定 を行うコンテナに、以下のディレクティブを追加してください。
DAV On |
このディレクティブは、指定したディレクトリとそのサブディレクトリに対して DAV を有効にします。
以下に /usr/local/apache/htdocs/DAVtest 上で WebDAV と LDAP 認証を有効にするサンプル設定を示します。これを /usr/local/apache/conf/httpd.conf ファイルの中に入れてください。
<Directory /usr/local/apache/htdocs/DAVtest> Dav On #Options Indexes FollowSymLinks AllowOverride None order allow,deny allow from all AuthName "LDAP_userid_password_required" AuthType Basic <Limit GET PUT POST DELETE PROPFIND PROPPATCH MKCOL COPY MOVE LOCK UNLOCK> Require valid-user </Limit> LDAP_Server ldap.server.com LDAP_Port 389 Base_DN "o=ROOT" UID_Attr uid </Directory> |
前のセクションで述べたように、全 DAV ディレクトリが、ウェブサーバの プロセスにより書きこみ可能でなくてはなりません。この例では、ウェブサーバが'nobody'というユーザ名で動作していると仮定します。 普通はこうなっています。httpd がどのユーザ権限ので動作しているか調べるには、 以下のコマンドを使ってください。
# ps -ef | grep httpd |
/usr/local/apache/htdocs 配下に 'DAVetst' という名前のテスト用ディレクトリ を作成してください。
# mkdir /usr/local/apache/htdocs/DAVtest
ディレクトリ上で httpd プロセスによる書きこみが可能になるように、 パーミッションを変更してください。httpd が 'nobody' ユーザ権限で動作しているなら、以下のコマンドを使用してください。
# cd /usr/local/apache/htdocs # chmod -R 755 DAVtest/ # chown -R nobody DAVtest/ # chgrp -R nobody DAVtest/ |
最後に、Apache に同梱されている設定試験ルーチンを走らせて、 httpd.conf の構文を検査しなければなりません。
# /usr/local/apache/bin/apachectl configtest
エラーメッセージが出たら、上記手順をすべて正しく行ったか確認 してください。もしエラーメッセージを理解できなければ、 気軽に私にエラーメッセージを電子メール (saqib@seagate.com) で送ってください。
設定試験が成功するなら、Apache ウェブサーバを起動してください。
# /usr/local/apache/bin/apachectl restart
これであなたは、LDAP 認証と SSL 暗号化を備え、 WebDAV が有効となった Apache サーバを手にしたことになります。
我々がインストールした WebDAV 機能が、WebDAV バージョン 2 プロトコル を完全に準拠しているかどうかは非常に重要です。もし完全に互換でないと、 クライアント側の WebDAV アプリケーションが適切に機能しません。
プロトコルに準拠しているか試験するには、Litmus というツールを使います。 Litmus は WebDAV サーバプロトコル準拠を試験するテストスイートで、 サーバが RFC2518 に規定される WebDAV プロトコルに準拠しているか どうかを試験することを目的としています。
http://www.webdav.org/neon/litmus/ から Litmus のソースコードを ダウンロードし、それを /tmp/downloads ディレクトリに置いてください。
それから gzip と tar を使い、ファイルを展開します。
# cd /tmp/downloads # gzip -d litmus-0.6.x.tar.gz # tar -xvf litmus-0.6.x.tar # cd litmus-0.6.x |
Litmus のコンパイルとインストールは簡単です。
# ./configure # make # make install |
make install で Litmus のバイナリファイルを /usr/local/bin の下に、またそのヘルプファイルを /usr/local/man の下にインストールします。
インストールしてある WebDAV サーバのプロトコル準拠を試験するには、 以下のコマンドを用いてください。
# /usr/local/bin/litmus http://you.dav.server/DAVtest userid passwd |