8.3. DOS および Windows を利用できるようにする

基本システムをインストールし、マスターブートレコードを書き込むと、 Linux は起動できるようになりますが、それ以外の OS はおそらく起動できなくなります。 これはインストール時の選択によって異なってきます。この節では、 DOS や Windows を再起動できるよう、インストール前に利用していたシステムを 再び利用できるようにする方法を説明します。

LILO は、Linux や他のオペレーティングシステムの 起動が可能なブートマネージャで、PC 規格に準拠しています。 このブートマネージャの設定は /etc/lilo.conf ファイルによって行います。この ファイルを編集した場合は、編集後必ず lilo コマンド を実行しなければなりません。このプログラムを実行しないと変更が 反映されません。

lilo.conf ファイルでは、image あるいは other キーワードを含む行と、それに続く 数行が重要な箇所です。これらを用いて、LILO が起動 できるシステムを記述します。このようなシステムとしては、カーネル (image)・ルートパーティション・カーネルパラメータ などを指定することもでき、他の Linux 以外の OS (other) を起動するための設定を指定することもできます。 これらのキーワードは何度でも利用できます。設定ファイルに記述された各システムの 順序は重要です。シフトキーを押すなどして LILO を中断しないと、タイムアウト (delay) 後にいずれかのシステムが自動的に 起動されますが、どのシステムが自動的に起動されるかはその順序によって 決定されるからです。

新規にインストールした場合は、現行のシステムのみが LILO で起動できるように設定されます。他の Linux カーネル を起動したい場合は、設定ファイル /etc/lilo.conf を 編集して、以下の行を追加する必要があります。


image=/boot/vmlinuz.new
  label=new
  append="mcd=0x320,11"
  read-only

基本的な設定としては、最初の 2 行だけあれば充分です。 他の 2 行のオプションに関するより詳しい情報については、 LILO のドキュメントをご覧ください。こちらは /usr/share/doc/lilo/ にあります。 特に Manual.txt をお読みください。 システムを起動する方法についてより手早く調べたい場合は、 LILO の man ページをご覧になるのもよいでしょう。 設定キーワードの概観については lilo.conf を、新規設定をブートセクタにインストールする方法については lilo をご覧ください。

なお、Debian GNU/Linux では、GRUB (grub パッケージ)、 CHOS (chos パッケージ)、 Extended-IPL (extipl パッケージ)、 loadlin (loadlin パッケージ) といった他のブートローダもご利用いただけます。