[ 前のページ ] [ 目次 ] [ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] [ 6 ] [ 7 ] [ 8 ] [ 9 ] [ 10 ] [ 11 ] [ 12 ] [ 13 ] [ 14 ] [ 15 ] [ A ] [ 次のページ ]

Debian レファレンス
第 1 章 - 序文


Debian レファレンスインストール後のユーザガイドとして Debian システム の広範囲な概観を供給することを意図しています。 対象とする読者はシェルスクリプトを読むのを厭わない人です。読者が本文書を 読む前に Unix ライクなシステムでの基本的なスキルを既に取得していることを 想定しています。

詳細が マニュアルページinfo ページHOWTO 文書 に見つかる場合は全てを詳細に説明しないことにしました。完全に説明する代わりに、正確なコマンドシーケンスを文書内に入れたり、参照として examples/サンプルスクリプト を置いたりすることによりより直接な実践的情報を与えようと 試みています。コマンドを実行する前にスクリプトの中身を理解する必要があります。 システムによってコマンドシーケンスを少し変える必要があるかもしれません。

本文書に含まれるほとんどの情報は References, 第 15.1 節 にリスト化されている 権威のあるリファレンスへのリマインダやポインタから構成されています。 これは本文書は "quick reference" として当初作成された からという理由も一部あります。

Keep it short and simple (KISS) がこのガイドの原則です。

緊急のシステム維持の手助けが欲しい場合は、すぐに Debian で生き残るためのコマンド, 第 6.3 節 に進んでください。


1.1 公式文書

Debian: の最新版の公式文書は debian-reference-ja にパッケージ化されており、http://www.debian.org/doc/manuals/debian-reference/ からも取得可能 です。

最新の開発版は http://qref.sourceforge.net/Debian/ にあります。 本プロジェクトは http://qref.sourceforge.net/Debian/ でホストされています。 本文書はプレインテキスト、HTML、PDF、SGMLそして PostScript フォーマット で取得可能です。


1.2 Document conventions

本文書 "Debian レファレンス" は短い Bash シェルスクリプトを通じて情報を 供給します。 次に規約を示します。

     # command は root アカウントでのコマンド実行
     $ command はユーザアカウントでのコマンド実行
     を示します。

Bash に関するより詳しい情報は Bash – GNU 標準の対話シェル, 第 13.2.1 節 を見てください。

次の略語が使用されます:

本文書では LDP 文書に対しては URL しか示していませんが、パッケージとしても 入手可能ですし、インストールすると /usr/share/doc/HOWTO/ に インストールされます。References, 第 15.1 節 を見てください。


1.3 サンプルスクリプト

サンプルスクリプトは /usr/share/doc/Debian/reference/ にインストール された examples subdirectory にあります。 隠しファイルは、ファイル名の前の "." を "_" に変換してあります。 代替となるサンプルスクリプトがいくつかある場合は、さらに拡張子が追加して あります。


1.4 基本設定

システムに最小限のパッケージしかインストールしていない場合、 いくつかの不可欠なパッケージと重要なドキュメントがインストール されているかを次のコマンドを実行して確認してください:

     # apt-get install info man-db doc-base dhelp apt apt-utils auto-apt \
                       dpkg less mc ssh nano-tiny elvis-tiny vim sash \
                       kernel-package \
                       manpages manpages-dev doc-debian doc-linux-text \
                       debian-policy developers-reference maint-guide \
                       apt-howto harden-doc install-doc \
                       libpam-doc glibc-doc samba-doc exim-doc cvsbook \
                       gnupg-doc
     # apt-get install debian-reference # Sarge の場合も、同様です :)

Sarge の場合、exim-docexim4-doc-htmlexim4-doc-info で置き換えています。


1.5 Basics of the Debian distributions

Debian は次の3つの release "flavors" を供給します:

Debian のステータス更新を知るには、少なくても重要なメーリングリストである debian-devel-announce@lists.debian.org を購読してください。

2002年4月に、これらの3つの release version は codename version と次のように 対応していました: Potato (製品版の品質), Woody (βテスト版であり、リリース間近なため非常に安定している)、Sid (αテスト版). Woody がリリースされたすぐ後の2002年8月には、次のように対応が変わりました: Woody (製品版), Sarge (βテスト版であり、しばらくの間は beta-test)、Sid (常にαテスト版) unstable なパッケージに 1週間の間 release-critical (RC) バグが無い 場合、そのパッケージは自動的に testing に昇格されます。 See Debian アーカイブ, 第 2.1 節.

システムに最新版のソフトウェアを走らせるためには、2つのアプローチが存在します。

Debian の testing flavor を追いかけることにはセキュリティ修正 が非常に遅くなるという副作用がありますので警告しておきます。

Debian の flavor を混ぜる、つまり stabletesting 又は unstableのパッケージを使用する場合、バグを持つ testing 又は unstable からの多くの主要パッケージを意図せずに導入してしまうでしょうから警告しておきます。

Debian の testing 又は unstable flavor を使用していると、 深刻なバグに遭遇するリスクが高まります。このリスクは Debian: の より安定な flavor とのマルチブートを実施することや、chroot, 第 8.6.34 節 に 記述されているようにより安定な flavor に chrootを用いることに より管理できます。後者の手段は異なった Debian の flavor を同時に異なった 端末で起動できるようになります。

Debian の基礎知識, 第 2 章 において Debian ディストリビューションのいくつかの基礎を説明 した後、最新のソフトウェアを用いて楽しく過ごし、Debian のtestingunstable ディストリビューション を利用するのを手助けするいくつかの 基本的な情報を提供します。我慢できない人はすぐに Debian で生き残るためのコマンド, 第 6.3 節 に進んで 下さい。Happy upgrading!


[ 前のページ ] [ 目次 ] [ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] [ 6 ] [ 7 ] [ 8 ] [ 9 ] [ 10 ] [ 11 ] [ 12 ] [ 13 ] [ 14 ] [ 15 ] [ A ] [ 次のページ ]

Debian レファレンス

1.07-2, 2004年 4月 11日 日曜日 08時00分07秒 UTC時間

Osamu Aoki (青木 修) osamu@debian.org
翻訳: 角田 慎一 tsuno@ngy.1st.ne.jp
著者, 第 A.1 節