Debian は、Linux カーネルや GNU ツールセットが必要とする以上のハードウェア を要求しません。それゆえ、Linux カーネル、libc、gcc などが 移植されていて、Debian の移植版が存在すれば、どんなアーキテクチャや プラットフォームでも Debian を動作させることができます。 すでに Debian でテストされている S/390 アーキテクチャの詳細は、 移植版のページ (http://www.debian.org/ports/s390/) を参照してください。
この節では、 S/390 でサポートされるハードウェアのさまざまな設定の すべてに触れることは避け、一般的な情報とさらなる情報が見つけられる場所への ポインタを紹介します。
Debian "sarge" は 11 の主要なアーキテクチャと、 「フレーバー」と呼ばれる各アーキテクチャのバリエーションを サポートしています。
アーキテクチャ | Debian 名称 | サブアーキテクチャ | フレーバー |
---|---|---|---|
Intel x86 ベース | i386 | vanilla | |
speakup | |||
linux26 | |||
Motorola 680x0 | m68k | Atari | atari |
Amiga | amiga | ||
68k Macintosh | mac | ||
VME | bvme6000 | ||
mvme147 | |||
mvme16x | |||
DEC Alpha | alpha | generic | |
jensen | |||
nautilus | |||
Sun SPARC | sparc | sun4cdm | |
sun4u | |||
ARM・StrongARM | arm | netwinder | |
riscpc | |||
shark | |||
lart | |||
IBM/Motorola PowerPC | powerpc | CHRP | chrp |
PowerMac | powermac, new-powermac | ||
PReP | prep | ||
APUS | apus | ||
HP PA-RISC | hppa | PA-RISC 1.1 | 32 |
PA-RISC 2.0 | 64 | ||
Intel ia64 ベース | ia64 | ||
MIPS (ビッグエンディアン) | mips | SGI Indy/I2 | r4k-ip22 |
MIPS (リトルエンディアン) | mipsel | DEC Decstation | r4k-kn04 |
r3k-kn02 | |||
IBM S/390 | s390 | tape | |
vmrdr |
この文書は S/390 アーキテクチャへのインストールを扱います。 なお、他のアーキテクチャに関する情報については、 Debian 移植版 ページをご覧ください。
S/390 や zSeries マシンについての完全な情報は、IBM の レッドブック 2.1 章内の Linux for IBM eServer zSeries and S/390: Distributions か、 developerWorks の technical details web page で見つかります。 要するに、G5, Multiprise 3000, G6 および全 zSeries はフルサポート、 Multiprise 2000, G3, G4 はパフォーマンスが低下しますが、 IEEE 浮動小数点演算エミュレーションでサポートしています。
「symmetric multi-processing」や SMP と呼ばれるマルチプロセッサも、 このアーキテクチャではサポートされています。 Debian "sarge" の標準カーネルイメージは SMP サポートを有効にして コンパイルされています。 SMP カーネルは非 SMP システムでも起動できますから、 インストールには問題ありません。 ただカーネルに若干オーバヘッドがかかります。
シングル CPU システムにカーネルを最適化したい場合は、 Debian の標準カーネルを置き換える必要があります。 その手順に関する議論は 項8.4. 「新しいカーネルのコンパイル」 にあります。 現時点 (カーネルバージョン 2.4.26) で SMP を無効にするためには、 カーネルコンフィグレーションの ``General'' セクションにある ``symmetric multi-processing'' の選択を解除してください。