4.2. Debian ミラーサイトからのファイルのダウンロード

もっとも近い (そしておそらくもっとも速い) ミラーサイトを探すには、 Debian ミラーサイト一覧 を参照してください。

Debian ミラーサイトからファイルをダウンロードするとき、 バイナリ(binary) モードでファイルをダウンロードするよう確認してください。 テキスト (text) モードや自動選択モードではだめです。 ローカルの「サブミラー」を作るには、 ミラーサイトにあるようなディレクトリ構造を複製することが大切です。 実際には、すべてのインストール用ファイルを フロッピーで準備する必要はありません。 でもフロッピーで準備しておけば、 ファイルが必要になったときに見つけるのは簡単になります。 ローカルのディレクトリ構造は、 installer-powerpc の下から始めるといいでしょう。 例えば:

current/images/subarchitecture/netboot/initrd.gz

この階層下の全ファイルをダウンロードする必要はありません。 あなたに必要なファイルだけでいいのです (どれが必要かは読み進めればわかります)。 ディレクトリ名はミラーサイトのものと同じにし、 ファイルを各々の適切なディレクトリの中に入れておきましょう。

あなたのマシンが、ダウンロードしたファイルを自動的に 伸長・復号するように設定されている場合は、 ダウンロード時にはこの機能を無効にする必要があります。 伸長はインストーラが必要なときに行います。 いまのシステムで伸長するのは、ディスク容量と時間の無駄です。 さらに、元の圧縮されたファイルが伸長するプログラムによって削除されてしまうと、 インストーラが必要とするときにそのファイルがない、ということにもなります。

この話は、特に Macintosh に該当します。 .bin ファイルは MacBinary と解釈されます。 復号プログラムが変換できないと言って騒ぐことになるでしょう。

また、明示的にバイナリ転送モードを指定しないと、 yaboot などの拡張子のない多くのバイナリファイルは、 自動的にテキストであると解釈されます。 テキストモードで転送されたファイルは 使えません

4.2.1. インストールオプション

必要となるファイルは次の 3 つの種類に分かれます。

  1. インストールシステムを起動するために必要なファイル (例えば boot.imgroot.img、もしくは vmlinuzinitrd.gz)

  2. インストールシステムが起動したあとに、 OS のカーネルと周辺機器ドライバとをインストールするために アクセスする必要のあるファイル (例えば net-drivers.imgcd-drivers.img)

  3. 基本システムインストール用のファイル

インストール対象のコンピュータに動作するイーサネット接続があり、 そのイーサネットカードがインストールカーネルに組み込まれているならば、 必要となるのはインストールシステムの起動ファイルだけです。 インストーラは、多くのイーサネットカードに対して、 ネットワーク経由でのカーネルとドライバの取得をサポートしています。

イーサネット接続のサポートがインストーラに組み込まれていない場合、 必要となるのは、インストールシステム起動ファイル、カーネル、 周辺装置ドライバのインストール用ファイルです。

動作するネットワーク接続のないシステムにインストールするか、 イーサネットではなく (モデムを使った) PPP 経由でネットワーク接続する場合は、 3 種類のファイルすべてをインストール前に取得する必要があります。 基本システムインストールファイルは、Debian CD 1 (または 120MB 以下の netinst と呼ばれる小さな変種) にあります。 たとえ CD-ROM ドライブがなくても ISO イメージを使用できます。

どのファイルが必要なのかわからない場合は、 インストールシステムの起動ファイルだけから始めます。 ネットワーク設定の最初の試みが失敗したら、 インストールを中断し、必要な追加ファイルを入手して、 インストールをやり直せばよいのです。

4.2.2. 正しいインストールセットの選択

インストール用ファイルにはカーネルイメージが含まれます。 カーネルイメージには、さまざまな サブアーキテクチャ 向けのものがあります。 それぞれのサブアーキテクチャは、異なるハードウェアをサポートします。 各サブアーキテクチャ用カーネルの設定ファイルは、それぞれのディレクトリに kernel-config という名前で置かれています。 PowerPC には以下のサブアーキテクチャが用意されています。

`powermac'

ほとんどの Power Macintosh コンピュータで使うカーネルです。 Linux カーネルのバージョン 2.2 を使用しています。

`new-powermac'

ごく最近の Power Macintosh コンピュータで使うカーネルです。 Linux カーネルのバージョン 2.4 を基にしています。 OldWorld マシンに new-powermac バージョンをインストールするときには、 インストーラの起動に BootX しか使えないという制約があります。 そのため、カーネルがフロッピーに入りきらず、 また OldWorld で Debian CD が起動できません。 powermac フレーバーでインストールが完了した後、 2.4.25 に切り替えることもできます。

`apus'

Amiga Power-UP Systems (APUS) 用のカーネルです。 Linux カーネルのバージョン 2.2 を基にしています。

`chrp'

組込型 CHRP コンピュータ用のカーネルです。 Linux カーネルのバージョン 2.2 を基にしています。

`prep'

Motorola や IBM RS/6000 PReP コンピュータ用のカーネルです。 Linux カーネルのバージョン 2.2 を基にしています。

各フレーバー用のカーネル設定ファイルは、それぞれのディレクトリに config.gz という名前で置かれています。

4.2.3. インストール用ファイルのありか

boot-floppy-hfs フロッピーイメージと boot.img イメージの両方に、 圧縮された Linux ブートカーネルが含まれています。 boot-floppy-hfs フロッピーはインストールシステムの起動に利用され、 boot.img は Linux カーネルをマシンにインストールする際の コピー元になります。 PowerPCboot.img フロッピーからは起動できません。 3 番目のカーネルは非圧縮で、linux.bin という名前です。 これはハードディスクや CD-ROM からインストーラを起動したときに使われます。 フロッピーからインストーラを起動したときには使われません。

hfs のブートフロッピーイメージのバージョンは 2 つあります。 標準的な boot-floppy-hfs.img は、 7200 やビデオカードを追加していない 8500 のような古いマシンでよく動くでしょう。 標準イメージだと起動時に画面が真っ暗になってしまう場合、 起動引数に video=ofonly を追加して、 boot-video-ofonly.img を試してください。

フロッピーイメージからフロッピーディスクを適切に作成するにあたって 重要な情報が 項4.3. 「ディスクイメージからのフロッピーの作成」 にありますので、参照してください。

root フロッピーのイメージ (root.img) には、 インストーラを起動したあとにメモリに読み込まれる RAM ディスクファイルシステムが圧縮されて含まれています。

周辺機器のドライバは、複数のフロッピーイメージとして、 あるいは 1 つの tarball (drivers.tgz) としてダウンロードできます。 インストーラシステムは、 インストール中にドライバファイルにアクセスする必要があります。 ハードディスクのパーティションや、 接続されている別のコンピュータに対して インストーラがアクセスできるなら (後述)、 tarball のほうが扱いやすいでしょう。 フロッピーイメージファイルは、フロッピーからドライバをインストール しなければいけないときにだけ必要になります。

カーネルやドライバにフロッピーを使わない場合は、 ファイルのダウンロードの際に、 ダウンロードしたファイルを 置く ファイルシステムの種類にも注意する必要があります。 インストーラはいくつかのファイルシステム (FAT, HFS, ext2fs, Minix) を読むことができます。*nix のファイルシステムにダウンロードする時には、 アーカイブからできるだけ大きなファイルを選んでください。

インストールの途中で、 Debian をインストールしようとしているパーティションの内容は消去されます。 ダウンロードしたファイルは、システムをインストールする予定の パーティションとは別のところに置く必要があります。

4.2.3.1. NewWorld MacOS のインストールファイル

NewWorld Mac でフロッピーを使わずにインストールするには、 必要なファイルがすべて入った Stuffit アーカイブを http://debian-imac.sourceforge.net/ から入手するのが最も便利でしょう (アーカイブには別に説明も入っています)。 あるいは、上述のリストにある 通常のインストールファイルを取得してもかまいません。 取得したファイルは、システムの HFS パーティション (HFS+ は駄目) に置いてください。 yabootyaboot.conf の 2 つのファイルも必要です。 new-powermac あるいは powermac というアーカイブフォルダから入手してください。 しかし、MacOS 9 が必要ない最新の G4 PowerMac には、 yaboot の最新版が必要です。 アーカイブが動作しない場合は、 http://penguinppc.org/projects/yaboot/ から最新版を取得してください。